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NTT株価の下落が止まらない理由【信用買い残が膨らみすぎ問題】

よんせみ

5月から継続しているNTT株価の大幅下落。

その理由の一つである『信用買い残』について、下落が起こるメカニズムと他の銘柄との比較を解説します。

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2025年3月期の業績見通しの発表後、下落トレンドに入りいまだに株価の下落から抜け出せない『NTT(9432)』

2024年1月は年初来高値192.9円でしたが、年初来安値をどんどん更新し、ついに144円台にまで到達しました。

NTT株の2024年株価
  • 年初来高値:192.9(1/23)
  • 年初来安値:144.5(6/17)

わずか半年で約30%も下落…!!

1月に新NISAの成長投資枠で購入した人からすれば、「1日でも早く株価が上昇トレンドに入ってくれ」という気持ちでしょう。

ではこの大幅下落の要因は何なのか?

「来期の業績が期待よりも悪かった」「固定電話数&通信単価の減少」「政府保有株の売却」などいくつか理由はありますが、

これだけの期間に渡って下落が続いている大きな理由の1つは、『信用買い残(読み方:しんようかいざん)』が増加し続けていることです。

【注意】株式投資には様々なリスクがあります。本記事も特定銘柄への投資を推奨する意図はありません。最終的な購入の判断は、ご自身の判断に基づき自己責任でお願いします。

目次

信用買い残が多くなると売り(株価下げ)の圧力が強くなる

NTT株価の下落
男性

『信用買い残』って初めて聞く言葉だけど、一体なんなの?

『信用買い残(信用買残とも書く場合もある)』とは、信用取引で『信用買い』をされ、まだ決済されずに残っている株数のことです。

逆に『信用売り』されて、まだ決済されていない株数は『信用売り残(読み方:しんよううりざん。信用売残とも書く場合もある)』

信用取引は証券会社からお金を借りて株を買う、あるいは株券を借りてそれを売る取引。前者を『信用買い』、後者を『信用売り』といいます。

信用取引

なお信用取引で売買した株は、原則として6カ月後の期日までに決済をしなくてはいけません(制度信用取引の場合)。

その決済の際には反対売買をするため、信用買いした株は返済売り、信用売りした株は返済買いします。

つまり『信用買い』した株は将来的に売り『信用売り』した株は将来的に買うという逆の取引が必要なわけです(ここが今回の話で最も重要なポイント)。

ではNTT株に話を戻します。

信用取引の残数(将来、決済が必要な株数)は公開されており、NTT株の『信用買い残』『信用買い残』は以下の通りです(クリックで拡大)。

NTT株の信用買い残数

注目すべきは『信用買い残』の数。5/10以降は減るどころか増加し続けており、最新のデータ(6/14分)ではついに3億株もの買い残となりました。

一方の『信用売り残』は約1,600万株。その差、信用買残-信用売残=288,063,000株

上記の数値からわかるように、今は信用買い残が圧倒的に多い状況。

わかりやすく言うと、NTT株は約2億8,800万株分もの売り(下落)の圧力がかかっている状態なのです。

買いと売りの受給の関係で言えば、売りたい人が圧倒的に多い。これでは上値が重くなり、株価が上がりづらいのも当然です。

よんせみ

約3億株も信用買残が多い銘柄なんて初めて見ました…。

NTTと他の高配当人気株の信用買い残を比較してみた

信用売買数を比較してみた

では他の銘柄の信用買い残・信用売り残・それらの差はどうなっているのでしょう?

NTTと同じく高配当株として人気銘柄である『三菱商事(8058)』『オリックス(8591)』『JT(2914)』『三菱UFJ(8306)』とを比較したものが以下の表です。

銘柄【1】信用買残【2】信用売残【1】-【2】
NTT3億4,289万1億6,225万2億8,806万
JT598万39万559万
三菱商事1,276万109万1,167万
三菱UFJ6,921万314万6,608万
オリックス137万19万118万
人気銘柄の信用買い残・信用売り残数

※数値は千の位を四捨五入。データは2024/6/14のものを使用しています

NTTを除く中で『信用買残と信用売残の差』がもっと大きいのは三菱UFJですが、それでもNTT株の4分の1未満です。

こうやって他の株と比較すると、NTT株にどれだけ強い売り圧力がかかっているかがよくわかります。

まとめ

今回はNTT株の下落要因の1つである、『信用買い残』について他社との比較も交えて解説しました。

私は現在5,000株以上を保有しているNTT株のホルダーの一人ですが、今回の分析を踏まえてさすがに今の状況では大きく追加投資するのは怖いなと感じています。

ただ永遠に下落を続ける株はありません。下落した株はいつか上昇するものですからね。

個人的には配当利回りが4%となる、130円付近に到達するまでには上昇トレンドに変わるのでは?と予測しています。

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よんせみ

さすがにNTT株が配当利回り4%なら、需給バランスは買いに傾くはず!(私なら買います)

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この記事を書いた人

40代で仕事をセミリタイアし、ハードワークを卒業しました。現在はフリーランスのお仕事と株式運用での収益が主な収入源。現在の目標は高配当株の配当金だけで生活すること。FP2級。資産運用検定2級。持ち家派。奥さんと子供と三人暮らし。

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