『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』を読みましたので、
その感想と評価、さらにタイトルにある年間配当240万円を手に入れるための投資資金(必要な元手)についてもお伝えします。
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今回、紹介する投資本は『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』。
X(旧Twitter)のフォロワー17万の投資家・配当太郎さんの2冊目の著書です。
より投資初心者さん向けの前作『年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資』はこちら↓
配当太郎さんの投資スタイルは『稼ぐチカラ』+『安定感』+『実績』がある高配当株企業に投資し、それを【ゴリラ握力※】で持ち続けながら、淡々と買い進めて持ち株数を増やすスタイルです。
※一度株を買ったらゴリラのような強い握力で、その銘柄を保持し続けること。キャッチーで使いたくなる言葉ですよね笑
有力企業に投資してゴリラ握力で保持し続ける
×
有力企業を淡々と買い進める
配当太郎さんの投資法はあくまで長期保有が前提。
だからこれまでの実績があまりなく、先の見通しが不透明なギャンブル要素が強い株には割安であっても投資はしません。
貰った配当金や本業での収入を有力企業にどんどん投資(再投資)して、株を売却せずに持ち続けて雪だるまを大きくする手法です。
そのため物事をコツコツ積み上げていくのが好きな方には、すごく向いている投資手法と言えます(私はそのタイプ)。
しかしそんな堅実的なコツコツ投資法で、タイトルにある『年間240万円の配当金』なんて実現できるの?と疑問を持つ方は多いはず。
そこで本記事では多くの方が気になってるであろう、「年間配当金240万円は現実的な数字なのか?」について掘り下げて解説します。
年間240万円の配当金は自己資金1,200万円で達成できる
本のタイトルの240万円の配当金って現実的なの?
普通に考えたら元手が8,000万円ぐらいいると思うんだけど…。
私も本書のタイトルを見た時に、一番最初に抱いた疑問が正にそれです。
さすがに配当金240万円は現実的じゃなく、読者にインパクトを与えるために数字では?と疑ってしまいました。
仮に配当利回りが3%だとすると、年間配当金240万円に必要な株式資産は8,000万円…。甘く見積もって利回り3.5%だとしても、6,857万円も資産が必要です。
6,857万円から8,000万円の投資資金を用意するなんて、普通の会社員ではスーパーハードモード。
サラリーマンの生涯手取りが1.9億円から2.1億円と言われているので、その半分近くは必要な元手となりますからね。
手取りが26万円の人なら13万円を毎月投資に回す計算。超人レベルの倹約家じゃないとムリ!
しかし本書で解説されている手法に従えば、それが元手が約1,200万円で配当金240万円を実現できてしまうんですよ。実際に計算してみて、私もこれには驚きました。
1,200万円の投資資金なら、時間をかけてがんばれば達成できそうな数字ですよね。
では具体的にどうやって投資資金1,200万円で、配当金240万円を達成するのか?
それを実現するために必要なのが、毎年10%ずつ所有株式からの受取配当金の額を上げることです。
1年目の配当金が12万円なら、翌年は13万2,000円、2年後は14万5,200円、3年後は159,720円…と毎年10%ずつ増やしていけば、33年後に配当金253万3,653円となり、目標の240万円をクリアします。
それをまとめた配当金のシミュレーションが次の表です。(画像をクリックすると表が拡大されます)。
引用:新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資
- 企業の増配率は6%設定(妥当な数値)
- 配当金は全額再投資
- 新NISAの成長投資枠を活用
- 不足の配当金は自己資金で投資
ここ注目して欲しいのが右端の列の「新規投資額」。これが用意する自己資金です。
1年目から33年目までの自己資金を合計すると約800万円。
1年目の配当金12万円の元手を400万円(利回り3%として計算)とすれば、投資用自己資金は合計1,200万円の計算。
そうなんです。このシミュレーションの通りに投資をすれば手持ち軍資金が1,200万円で、配当利回り240万円が現実的な数字になってくるんです。
これってすごくありませんか?
たしかに時間はかかりますが、結果を出すまでに時間をかけても良い、個人投資家のメリットを活かした手法です。
でも33年はさすがに長いよ…
もし期間を短くしたいなら、投資する自己資金を増やせばいいだけです。早い段階で投資する資金を増やせば、複利効果で積み上げスピードも早くなりますからね。
そのあたりは自分の投資予算と相談しながら、臨機応変に対応できます。
ちなみに年間配当金が100万円でいい方なら、合計718万円(元手400万円、追加自己資金318万円)の投資金額でOK。
それに年間配当100万円なら、24年で到達できるので、30代前半にスタートすれば50代で達成できる計算です。
1,200万の自己資金を用意するのは難しいという方も、この目標ならかなり現実味が帯びてくるはず。
なお配当金240万円を達成する上での注意点や、具体的なおすすめ銘柄、自己資金を増やさず投資期間を短縮する方法などは書籍で詳しく解説されていますので、気になる方はぜひご覧ください。
本手法のデメリットは新NISAの成長投資枠を活用すること
本書で紹介されている手法にデメリットは無いの?
あえてデメリットを挙げるなら、NISAの成長投資枠を使ってしまうことです。
本書の手法では年間240万円の配当金を得る元手を積み上げるスピードを上げるために、配当金に税金がかからない新NISA口座の成長投資枠1,200万円分をフルで活用します。
これが本手法のデメリットです。
配当金を株主に支払う個別株は、配当金を出すたびに株価が目減りします。
結果として、配当金を出さないインデックス投資信託(オルカンやS&P500)と比べると、高配当株投資の複利効果が弱くなります。
そのため効率的に資産を増やしたい方なら、「新NISAの成長投資枠で高配当株投資を買うのはベストな選択じゃない」というのが多数派の意見です。
そりゃ分配金を渡さずに、その分も事業に再投資して業績を上げた方が利益を大きくできる可能性は高くなりますからね。資産を増やすことを第一優先で考えるなら、新NISAで高配当株投資することはデメリットです。
ただしそれはあくまでも机上の空論の話。
実際問題として、配当金の無い投資信託を現金化するためには自分で必要な分だけ売却をする必要があります。しかしこれが至難の業なんです…。
資産形成の現場において、自分で資産を切り崩すことは決し簡単なことじゃありません。売却すれば資産が減るわけですから、もう自分の体を切り裂かれるような痛み。
特に『エリクサー症候群※』と呼ばれる人からすれば、膨らんだ資産を自分の意志で売却するなんて超ハードモードの無理ゲーです笑
※エリクサー症候群とはゲームソフト『ファイナルファンタジー』から派生した用語。ゲームに登場する貴重アイテムのエリクサーを大事にして温存しすぎるあまり、結局使わずにクリアしてしまう人達のこと。
投資界隈では所有しているインデックス投信や個別銘柄の株価が目標額に達しても、売却することができずホールドし続ける人を指す。
私自身もエリクサー症候群よりの性格なので、ギリギリまで資産を切り崩せないタイプの一人です。
そう考えると、毎年勝手に配当金を口座に振り込んでくれる高配当株投資はアリだなと、40代に到達して老後を見据えた今は思えるようになりました。
決まった時期に勝手に配当金を口座に振り込んでくれるのは、『エリクサー症候群』の人間からすればありがたいです笑
そのため今は少しずつではありますが、高配当株の保有割合を増やしていますし、新NISAの成長投資枠でも一部は高配当株を買いました。
【本日の購入株】
— よんせみ@毎日S株コツコツ投資 (@yonsemi) June 4, 2024
✅NTT×900株
✅三菱HCキャピタル×200株
いずれも新NISAの成長投資枠で購入🌱
NTTは過去3年で見て割安の水準なので、買い集めています。
これで合計3,915株になりました😇
⬇️私がNTT株に投資を決めた理由📈https://t.co/B9JbOdf2JN pic.twitter.com/SulIi8Smxd
もちろん新NISA枠で高配当株を買うかどうかはその方の投資スタイルや性質(性格)によりますが、『エリクサー症候群』の方には高配当株投資はかなり合っていますよ。
【まとめ】高配当株投資を今すぐ始めたくなる本
今回は『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』の感想と、特に重要だと感じたポイントや注意点を抜粋してお伝えしました。
- 高配当株投資で成功するための考え方
- 年間240万円の配当金を得る投資法
- 増配を期待できる22銘柄
- 配当太郎さんの推奨ポートフォリオ
本書の優れている点は年間240万円を目標とする高配当株の投資法(シミュレーション)に加えて、具体的な銘柄やそれを組み込んだポートフォリまで解説している点。
そのため本を読んだその日から、配当太郎さんが推奨する投資法を実践できます。
また配当太郎さんの文章は、読んでいると「これなら自分でできる!」とやる気を起こさせてくれるので、それも素晴らしいと感じました。
いくら良い書籍を読んで学びがあっても、それを行動に落とし込めなければ意味がありませんからね。
そういう面からも高配当株投資を始めたい方にはおすすめの書籍でした。
配当太郎さんの本は表紙は2冊ともかなりポップなんですけど、どちらも中身はしっかりしているので大好きです♪
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