これが私のバイブルと挙げる人の多い、あの書籍が電子版で復刻しました!
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絶版後もバリュー投資家の間で評価され続け、アマゾンで5,000円以上のプレ値で取引されていた伝説の書籍『謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法』が電子書籍版として、書き下ろしコラムも追記ありで2024年4月に復刻!
私も購入して読んでみましたので、今回の記事ではその感想・評価をお伝えします。
今回、本記事でレビューするのは『謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法』。
投資開始からたった3年で、400万円を8,800万円へと22倍にした、しんさんのバリュー投資法を学べる書籍です。
これからバリュー投資を始めたい株初心者さんにとって、入門書となる1冊でした。おすすめです。
本書籍の内容を完全に理解して、実践できればバリュー投資の基礎固めは十分できます。
しかも変に難しい言葉遣い・言い回しはなく、文章は読みやすく、頭にスッと入って来るのでストレスなく読める点も良かったです。
紙版の書籍が絶版になった今でも、バイブル・教本と褒めた立たえる人がいるのも納得の良書。成功した多くの投資家たちが本書を絶賛する理由がわかりました。
著者しんさんが3年で20倍以上にしたバリュー投資の手法がわかる
著者しんさん投資を始めた2002年から2012年の10年間の投資成績は、なんと年平均20%の利回り。
これは投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェットと同じ水準です。3年間で資産を22倍、それ以降も含めて年平均の利回り20%、これらの数値から彼がとんでもない実力の投資家であるのがよくわかります。
ちなみにしんさんは元々投資の知識が豊富だった方がではありません。投資を始めて5年間は全く利益が得られなかったそうです。
そこでこのままではダメだと、1ヶ月間に渡ってウォーレン・バフェットやベンジャミン・グレアム(バフェットの師匠)などの書籍でバリュー投資を猛勉強。
平日は通勤時間や空き時間を、土日はまるまる投資関連の読書と勉強に費やしたそうです。
そしてバフェットやグレアの手法を参考にし、そこに独自のエッセンスを加えたしん流バリュー投資の手法で、一気に投資成績が向上。3年間で資産22倍という、とんでもない実績を出しました。
そんな彼が実践したバリュー投資方法を学べるのが本書です。
- しんさん流の銘柄選びの流れ
- しんさんが投資を学んだ書籍
- 独自の解散価値の算定方法
- 指標に騙されないための財務諸表の見方
- 購入した株の売却の基準
- 正しい投資成績の付け方など
では実際に著者のしんさんはどんな指標やデータを元にして、投資する銘柄を選んでいるのでしょう?
書籍の購入前に知っておきたい方も多いと思いますので、彼の銘柄の選びの概要をネタバレ無しの範囲で続いて紹介します。
しんさんがバリュー投資で主に活用している6つの指標
本書のタイトル『謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法』からもわかる通り、著者しんさんが実践して大きな成果を挙げた投資法は『バリュー投資』です。
『バリュー投資』とは本来の価値よりも、低く評価されている割安な株を買い、その評価に市場が気付き株価が上がれば売却して利益を出すという手法。
もし1万円札が入っている財布が、5,000円で売られていたら誰でも買いますよね?
こんな質問をすると、「そんなバカなことあるわけないだろ!」と怒る方もいるかもしれません。しかし株式の世界ではそれが起こっており、そのような銘柄を見つけて投資して値上がりを待つのがバリュー株投資です。
では具体的にどんな指標やデータを元にして、割安な株価を見つけるのか?
著者のしんさんが参考にしているのは主に次の6つの指標・データです。
- 自己資本比率
- 配当利回り
- 解散価値
- PER ※1
- 配当金の推移
- 自社株買いの有無
※1 PERとは株価収益率のこと。現在の株価が、「1株あたりの純利益(EPS)」の何倍になっているかを示す指標。この数値が低いほど、株価は割安と考えられる
上記の6つの指標・データを活用して投資候補のスクリーニング、そこからの投資する銘柄の絞り込みをするのがしんさんのバリュー投資法です。
どの指標でスクリーニングに使用するのか、どのデータで銘柄決定をするのかはネタバレになるため、気になる方は本書にてご確認ください。
なお上記の6つの指標の内、特に重要となるのが『解散価値』です。
自己資本比率、配当利回り、PERなどの言葉は聴いたことがあるけど、『解散価値』というのは初めて知ったという方も多いはず。
『解散価値』とは企業の『流動資産※2』から『流動負債※3』を引いたもので、会社が解散した時の”価値”がこれです。
※2 流動資産とは現金、預金、売掛金など現金化がしやすい資産。貸借対照表(B/S)で確認できる。
※3 流動負債とは支払手形、皆生金、短期借入金など1年以内に返済する予定の負債。貸借対照表(B/S)で確認できる。
「でも解散価値が株価よりも高い企業なんてほんとにあるの?」
実際にリサーチしてみるとわかりますが、解散価値は1株あたり1万円なのに、なぜか株価5,000円のように価値と売値が乖離しているような割安な企業が株式市場に存在します。
正に先ほど例に挙げた、1万円のお金が入っている財布が5千円で売られているような現象です。
そういった会社に投資しておけば、長い目でみれば値上がりする可能性が高いように感じますよね?
だからしんさんはバリュー投資での銘柄選びで、解散価値が重要視しているのです。
またウォーレン・バフェットの師匠のベンジャミン・グレアムも銘柄選びでは解散価値を重視しており、彼の場合は『解散価値』が『株価』の1.5倍以上の銘柄に投資をしています。
ただし解散価値の数値やPERなどの上記に挙げた指標だけを見ていては、だまし(単年だけ売上による数字の水増し)の可能性もあるので不十分。
だから『貸借対照表(B/S)』『損益計算書(P/L)』『キャッシュフロー』などの財務諸表を見る重要性もしんさんは述べており、その見方も本書で解説されています。
ほんとかゆいところに手が届く構成の書籍です。本書を読み込めば、間違いなく投資の実力は上がります。
【まとめ】これからバリュー投資を始めたい初心者におすすめ
今回の記事では『謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法』感想とレビューをお伝えしました。
前述した通り、しんさんのバリュー投資での銘柄選びでは『解散価値』の指標が重要と紹介しましたが、彼が銘柄選び活用している既存の『解散価値』ではありません。
『正味解散価値』と定義した、彼自身のオリジナル指標です。だから「解散価値ってグレアムの指標だろ?知ってるよ」という方も、本書を読む価値はあります。
なお本書の手法の懸念事項を一つ挙げるとすれば、出版当時よりもバリュー投資が人気となっているので割安の株を見つけるのが難しくなったこと。
とは言え、割安株がゼロというわけではありません。
実際に私も本手法を参考にして銘柄選びをした結果、いくつかの銘柄を選定でき、その中から『ヨシコン(5280)』に投資をしました(下記の黄マーカーが抽出した銘柄)。
1株あたりの約定単価は1,670円(以下は購入した日のツイート)。
流動数が少なくすぐに株価が動くことは無いと思いますが、割安なのは間違いないので2年ぐらいは持ち続けるつもりです。
爆上がりしてくれると嬉しいですね笑
最後になりますが、本書はバリュー投資の基礎固めをしたいという方にはおすすめの一冊です。
「バリュー投資を学びたい」「財務諸表で見るべきポイントを知りたい」「実績のあるバリュー投資家の手法を勉強したい」などに当てはまる方はチェックしてみてください。
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