
2024年5月に11日連続下落となったNTT株に、私が投資を決めた理由を解説します
2024年5月、投資界隈で衝撃的なニュースが流れました。
国内通信最大手のNTT(正式名称:日本電信電話)の株価が、2025年3月期の業績見通しの発表後に急落。元々下落傾向だった株価がさらに下がり続け、5/1から数えて11営業日連続の下落となったのです。
NTTが11営業日連続で株価を下げるのは、2001年以来23年ぶりの出来事。


NTT株はボラティリティが小さく、高配当&安定&堅調で暴落が起こりづらい印象の個別株だったので驚きました。
また何日も続く株価の下落に嫌気がさして、損切りに走る個人投資家が多かったのも、11日営業日の連続下落というまれに見る長期連続下落を引き起こした一因と言われています。
新NISAの成長投資枠で一括購入していた人も多かったでしょうから、「もう、やってられるか!」と損切りしたくなる気持ちもわかります。
ちなみにNTT株価の2024年の年初来高値192.9円(1/23)、現在(5/21)の株価153.1円なので、今回は約21%の下落でした。コロナショックでの下落が約26%だったので、それに匹敵する下げ幅です。
ただ私はこの下落タイミングで、NTT株を購入しました。
NTTに投資を決めた理由は次の7つのポイントから判断して、悲観するレベルではなくむしろ株を買うに値する基準だと思ったからです。
- EPSの推移
- PER
- 配当金の推移
- 配当利回り
- 配当性向
- ミックス係数
- 自社株買いの有無
今回の記事では上記に挙げた7つのポイントについて、私が何を基準にどうやって判断したのかを具体的にお伝えします。
1.過去5年間のEPSの推移は?
年度 | EPS | 前年比 |
---|---|---|
2020/03 | ¥9.25 | - |
2021/03 | ¥9.93 | ¥0.68 |
2022/03 | ¥13.17 | ¥3.24 |
2023/03 | ¥13.92 | ¥0.75 |
2024/03 | ¥15.09 | ¥1.17 |
2025/3(予) | ¥13.08 | -¥2.01 |
判定結果…△
- 増加傾向…◎
- 安定…○
- 減少傾向…×
- それ以外…△
『EPS(Earnings Per Share)』とは1株あたりの利益のこと。
EPSが増加傾向であれば、その企業のビジネスは堅調。一方、減少傾向であれば何かしらも問題を抱えている可能性があります。
私の場合、株は長期保有が前提。いくら単年だけ業績が良くても、それ以降の年度が赤字続きでは意味がありません。そのため単年ではなく、最低でも直近5年間のEPSの推移を確認します。
またEPSが株主還元(配当金など)の原資となるもの。それが増加傾向であれば株主への増配(配当金の増加)も期待できます。
NTT株の場合、上記の表の通り2020年から2024年までの過去5年間はEPSが増加傾向であり、業績は堅調そのもの。
しかし2025年3月の予想では、EPSは下落2022年(2年前)の水準に下がるとのことでした。
決して満点の結果とは言えませんが、まだ下落は1年のみであり下落傾向(下落トレンド)とは言えません。そのため今回は増加でも減少でもない『△』の判定です。
それに2025年のEPSは落ちるとの見通しと言っても、2年前(2022年3月度)の水準は利益が出るとの予想です。



下落が続いてるわけじゃありませんし、悲観するほどの数値ではないと思います。
2.PER(株価収益率)はいくらか?
EPS | 判定時の株価 | PER |
---|---|---|
¥13.08※ | ¥154 | 11.80倍 |
※EPSの値は2025年3月度の予想値です。
判定結果…○
- 10倍未満…◎
- 10倍以上-20倍未満…○
- 20倍以上…×
『PER(Price Earnings Ratio)』とは現在の株価が、1株あたりの利益(EPS)の何倍かを示す指標です。この値が低ければ低いほど、株価が割安と判断できます
PER=株価÷1株あたりの利益(EPS)
例えばPERが12倍だとしたら、その株価と同じ利益を出すために、12年にかかることを表します。
日本株ではPERが15倍程度が適正とされています。それより低ければ割安、高ければ割高と考えるのが一つの目安です。
2025年3月度のPER予想値13.08、現在の株価154.0円、それらより導けるPERは11.80倍。
15倍を切っており、今の株価はかなり割安な水準と言えます。
3.配当金は過去5年間の推移は?


年度 | 配当金 | 前年比 |
---|---|---|
2020/03 | ¥3.8 | - |
2021/03 | ¥4.2 | ¥0.4 |
2022/03 | ¥4.6 | ¥0.4 |
2023/03 | ¥4.8 | ¥0.2 |
2024/03 | ¥5.1 | ¥0.3 |
2025/3(予) | ¥5.2 | ¥0.1 |
判定結果…◎
- 増配傾向…◎
- 安定…○
- 減配傾向…×
3つ目の判断指標は『配当金の推移』です。
配当金とは、企業が株主に対して分配する現金配当のこと。安定して配当金を出せる企業は得てして、業績も堅調なことが多いです。
また投資界隈では赤本と呼ばれている名著『株式投資の未来』の著者である、経済学者ジェレミー・シーゲル教授は「配当は下落相場では安全装置(プロテクター)でありながら、上昇相場では加速装置(アクセル)となる」と言っています。
つまり連続増配する株は、株価が下落しづらく上昇しやすいというわけです。
たしかに増配傾向の株は、多少業績が落ち込んでも「配当金は毎年増えてるからこのまま持ち続けよう」、あるいは下落のタイミングで「今買えば配当利回りが高くなるから買い増ししよう」とすら買いの圧力にすらなります。
そしてNTT株は2020から2024年まで、直近の配当金は増配傾向。さらに2025年3月も2024年度からの増配を予定しています。
配当金の実績については文句なしに評価できるレベルです。



『増配』は私たち高配当株投資家が大好きなワードです笑
4.配当利回りは高水準か?


配当金 | 判定時の株価 | 配当利回り |
---|---|---|
¥5.2※ | ¥154 | 3.4% |
※EPSの値は2025年3月度の予想配当金です。
判定結果…○
- 4.0%以上…◎
- 3.0%以上-4.0%未満…○
- 3.0%未満…×
『配当利回り』とは投資した株に対して、1年間で得られる配当が株価の何%になるかを表したもの。
例えば1万円の株に対して、1年で支払われる配当金が200円なら配当利回りは2%となります。
配当金が高ければどんな株でも良いというわけではありませんが、配当金目的で株に投資している人がいる以上、株価を買い支える原動力にはなるのは間違いありません。
そのため配当利回りが高水準なのは、個人投資家からすれば悪いことでは無いです。
ただしインカムゲイン(配当金)を重視せず、キャピタルゲイン(株そのものの値上がり)を重視する方にとっては、EPSやPERと比べると重要ではありません。あくまでも参考程度の指標とお考えください。
なお日経平均の平均配当利回り1.73%程度なので、それよりも約1%以上高い3%を高配当として判定します。
NTT株の2025年3月での予想配当利回りは3.4%で、3%よりも高いため『○』とジャッジしました。
5.配当性向は高すぎないか?
年度 | 配当性向 |
---|---|
2024/03 | 33.8% |
判定結果…◎
- 40%未満…◎
- 40%以上-60%未満…○
- 60%以上…×
『配当性向(読み方:はいとうせいこう)』とは、1株あたりの利益EPSからいくら配当金が支払われたか、その割合を示す指標です。
EPSが100円で、1株あたりの配当金が45円だった場合、配当性向は45%となります。
配当性向が高い企業は株主還元意識の高い企業と言えますが、その数値が高すぎると将来的に増配する余地がなくなり、業績が悪化した途端に減配や配当ゼロになりかねません。
配当目的で株を買っている方がいる以上、減配は株価下落の大きな要因。配当性向が高すぎる株にはそのリスクが付きまといます。
そのため今後の増配の余力を残した状態の配当性向が理想です。私は40%未満なら良しと判定しています。
NTT株は2024年3月度の配当性向が33.8%だったので、まだまだ増配の余地があると判断できます。
6.ミックス係数は高すぎないか?
PBR | EPS | ミックス係数 |
---|---|---|
1.32 | ¥11.8 | 15.50 |
※PBRは2024年3月度の実績から、EPSは2025年3月度の予想値から算出
判定結果…◎
- 22.5未満…◎
- 22.5以上…×
『ミックス係数』とはレジェンド投資家ウォーレン・バフェットの師匠である、ベンジャミン・グレアムが提唱した株価が割安かどうかを判断するための指標です。ミックス係数は次の式で求められます。
ミックス係数=PER(株価収益率)×PBR(株価純資産倍率)
ミックス係数が『22.5』を下回った時に株価は割安と判断します。パラメータ別に判断するなら、PERが15倍、PBRが1.5倍を下回れば割安と判断すれば良いでしょう※。
※PERは前述した解説を参照ください。PBR(株価純資産倍率)は、株価を1株あたりの純資産(BPS)で割った指標です。PBRが小さいほど株価が割安と判断します。
NTT株のPERは13.08倍(2025年3月の業績予想より)、PBRは1.32(2024年3月の実績より)、ミックス係数は15.50となり基準値22.5を下回るため、現在の株価は割安と判断できます。
7.継続的に自社株買いをしているか?
判定結果…◎
- 自社株買いを継続的にしている…◎
- していない…×
『自社株買い』とはその名前の通り、企業が自社の株を買い戻すことです。
自社株で買い戻した株を消却すれば、発行済の株数は減ります。そうすれば株式市場での需要に対して株数が減るため、需給バランスが崩れ(需要に対して供給株数が減る)、株価が上昇しやすくなります。
日本の企業ではまだ自社株を実施しているところは少ないですが、株主還元方法の1つとして個人投資家にとってメリットが大きいです。
NTTは2011年度以降は2023年度まで、毎年自社株を実施し続けており、EPS(1株あたりの利益)の向上にもつながっています。
7つの基準でNTT株は買いと判断【株主優待のdポイントもアツい】


項目 | 判定結果 |
---|---|
EPSの推移 | 直近は下落予想 |
PER | 11.8倍 |
配当金の推移 | 増配傾向 |
配当利回り | 3.4% |
配当性向 | 33.8% |
ミックス係数 | 15.5 |
自社株買いの有無 | 自社株買いを継続中 |
EPSの推移以外は、すべて『○』『◎』の判定結果でした。
また唯一の『△』判定であったEPSについても、過去5年はすべて増加傾向。減少となった2025年3月度の予想値についても、2年前と同等の数値であったので将来的な挽回は可能な範囲だと考えます。
さらにNTT株が素晴らしいのが株主優待の内容。100株以上を2年以上3年未満保有すればdポイントを1,500ポイント、5年以上6年未満なら3,000ポイント、と最大で4,500ポイントが付与されます。
NTT株を100株5年以上持ち続ければ、合計4,500ポイントのdポイントが貰える。
— よんせみ@S株コツコツ投資 (@yonsemi) May 22, 2024
100株の取得費用はおよそ15,400円だから、実質29%の還元。さらに毎年の配当利回りが3.38%あって増配中。
優待や配当金を加味すれば、100株取得で投資金額がマイナスになることはほぼ無いと思うんだけどな。 pic.twitter.com/JamO2HeaRP
株主の皆さまに、当社株式の保有期間に応じて、dポイントを進呈いたします。
基準日時点で、100株以上保有し、以下の保有期間の株主さま
2年以上3年未満(株主名簿登録日が2021年4月1日~2022年3月31日に該当する株主さま):1,500ポイント
5年以上6年未満(株主名簿登録日が2018年4月1日~2019年3月31日に該当する株主さま):3,000ポイント
参照:NTT 株主・投資家情報
株価154円で100株購入すれば投資金額は15,400円、それで4,500ポイント貰えるのであれば、約29%のポイント還元。これは激アツな優待制度です。
以上、7項目を判定結果と優待内容から考えて投資基準を満たすと判断し、今回はNTT株を100株(1株あたり154円)を購入しました(新NISA枠ではなく特定口座)。
【まとめ】NTT株は株主優待を貰えるまでは持ち続ける


本記事では2024年5月に急落したNTT株を購入した理由について、その判断基準を含めてお伝えしました。
前述したように私が購入した株数は100株。取得単価が154円だったので、金額は15,400円と決して大きくはありません。もしさらに大暴落が起こって半値になったとしても、諦めがつく金額です。
とは言え、PER、配当金の推移、配当性向、ミックス係数などは高く評価できる水準。まだまだ伸びる余地は十分にあると考えました。
それにNTTはドコモ(docomo)、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータなどを傘下に持つ、国内通信キャリア最大手の巨大企業です。最近では「dポイント」のような非通信の分野にも力を入れており、まだまだ伸びしろは十分でしょう。
リーマンショックやコロナショックなどの過去の暴落でも株価を戻しており、地力がある企業なのは間違いありません。
それに株主優待でdポイントが合計4,500ポイントも貰えるのがアツいです。



最低でもdポイントが貰えるまではNTT株ホルダーとして過ごします♪
2024/6/1追記
NTT株は本記事の執筆後も買い増しを続けており、現在は1,015株となりました(取得単価154円)。
150円台ならまだ割安の水準だと思いますので、引き続き積み立て感覚で継続購入をするつもりです。
2024/7/4追記
さらに追加で投資を実施。現在は5,135株のNTT株ホルダーになりました。
ちなみに取得単価は153円です。