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『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。』感想・評価

よんせみ

『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。』の感想・評価をお伝えします。

書くことを生業としている方、全員に読んで欲しい名著でした!

ブログ記事の執筆、副業ライターお仕事、noteやX(旧ツイッター)やInstagramでの投稿など、小説家やエッセイスト以外でも最近は書くことで収入を得ている方が増えています。

しかし自分も執筆で収入を得たいと考え実際に文章を書いてみても、次のような悩みにぶつかる人がほとんどでしょう。

  • 才能がないから良い文章が書けない
  • 上手い文章を書けるのは元からセンスがある人
  • どうせ自分が記事を書いても読まれない
  • そもそも何を書けばいいのかがわからない

私自身、サイト制作の仕事や本ブログの運営をしているのでウェブにアップする記事を定期的に執筆していますが、昔から書くことは得意ではありません。

何かを書きたいという衝動よりも、ごはんを食べるために書いている気持ちの方がウェイトは大きいです。

小学生の頃なんて、夏休みの読書感想文の宿題が嫌すぎて原稿用紙3枚中2枚半をあらすじで埋めたくらいです。

だから冒頭で挙げ書けない人の悩みは、私自身が持ち続けている悩みでもあります。

そんな私と同じような書くことにコンプレックスや悩みがある方に「大丈夫だよ!書くのに才能なんていらないから」と励ましながら伴走してくれ、書いた文章を相手に読ませるための武器(文章術)も授けてくれる書籍を発見しました。

それがpato(パト)さんの書かれた『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟』

それがpato(パト)さんの書かれた『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟』。
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著者patoさんは爆裂に面白いだけでなく、心にズシンと響く体重の乗った記事を書かられる執筆屋さん。だから彼の記事は読んだ後、何年たっても忘れることなく頭に残っているんですよね。

私もpatoさんの書く記事が大好きな一人。次の『JR東海のクリスマスエクスプレス』の記事を始めて読んだ時には、よく15秒のCMからここまでの背景を想像して掘り下げて書けるな…と驚愕しました。大袈裟ではなく驚愕。その言葉がぴったりな記事なんです。

参照:’89 牧瀬里穂のJR東海クリスマスエクスプレスのCMが良すぎて書き殴ってしまった

↑僕と同じ40歳以上で、JR東海のクリスマスCMを知っている人なら絶対読んだ方がいいです。コナンばりの考察力であのCMを分析しています笑

女性

でもpatoさんって書く才能を持っている天才だから、読者に伝わる文章が書けるんでしょ?

私も彼が文章も構成も元々できる天才の部類だと思っていましたが、

この書籍で紹介されている22年前(20代前半の頃)にウェブで公開した『おつかい』というタイトルの文章を読めば、それが大間違いだとわかるはず。

『おつかい』は職場の上司への愚痴とエピソードと共に書いた、よくある愚痴記事の日記。ほんとどこにでもあるクオリティ。

こんなどこにでもある文章を書いてた人が(失礼な言い方になってしまい申し訳ありません)、あんな心に響くを記事を書けるように変貌するなら、安直に才能のせいなんてしてはいけないと気付かされます。

そして「自分もやればできるんじゃないか?patoさんまでとはいかないまでも、読者さんに伝わる文章が書けるのではないか?」とやる気と行動するきっかけを与えくれる書籍です。

今回の記事では本書の中から、私が記事を書く上ですぐに実践したいと感じた「相手の文章を読ませる上で特に大切なポイントを1つ」を抜粋してお伝えします。

ぶっちゃけこの部分を身に着けるだけでも、本書をお金を払って読む価値は十分あると断言できます。

本書『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟』を購入するかどうか悩んでいて、感想・書評を読みたいと考えていた方はぜひご覧ください。

目次

本書はpatoさんが22年間で培った文章術の集大成

patoの文章術の集大成

文章を読ませる大切なポイントについてお伝えする前に、本書が大好きな読者として1点だけ言わせてください。

本書についてAmazon(アマゾン)のレビューをチェックすると、「著者の自己満足の文章」「スキルアップの手助けにならない」など、かなり辛辣な意見が低評価(星一つや星二つ)と共に投稿されていました。

しかしその評価に私は同意できません。というか強く反論したい。

本書は精神論だけではなく、伝わる文章の書き方や、そのための準備の方法・心構えもしっかりと解説されています!

特に第2章『届かない絶望』では、具体的かつすぐ使える文章や構成のポイントが挙げられているので、それらは文章を書くことに悩んでいる初心者・中級者ライターの方には大いに参考になるはずです。

何よりpatoさん自身が本書について、次のように述べています。

この本では僕が22年間で培った、試行錯誤の文章術が書かれており、それがすべて実行されている。これはそういう本である。

参照:文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟

本書はpatoさんの執筆業22年間の集大成。しかもpatoさんの自伝的な物語も掲載されており、その中ですべての文章術が実践されているんです。

たしかに文章テクを羅列したようなありがちな文章術の書籍ではないため、読んでいてとまどいを受ける方は多いかもしれません。

しかし文章術が実際に使われた具体例が物語や書き下ろし記事を通して読めるので、それらを精読すれば”書く”スキルアップには必ずつながります。

だからamazonで目に入った「スキルアップの手助けにならない」という厳しい書評に関しては、”うーん”と首をひねらずにはいられませんでした。

もちろんpatoさんクラスの文章をすでに書ける方なら話は別ですが、そうでない方なら学びを得られる断言します。

読ませる文章のポイントはお得感を与えること

回り道しましたが、ここからがお伝えしたかった文章を読ませるポイントについてです。

本書内は読みたくなる文章の書き方として、29個の掟が解説されています。

それらの中でも、特に私がこれから記事を書く上で強く意識しようと決意したのが次のことです。

人は自分の得になることしか興味を持たない。読まない

参照:文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟

あなたがファンのいる有名芸能人・タレント・インフルエンサーなら話は別ですが、おそらくは私と同じく一般人でしょう。

だとしたらあなたが書いた文章を読んでも得することが無いなら、読者さんは記事を最後まで読んでくれません。

「でも得をするとはどんなことなの?読んだ相手に、お金やPayPayポイントを渡せばいいってこと?」

いいえ、そんな必要はありません。読んだ相手が何かしらの新しい知見を得られればいいのです。だから記事を書く時には、文章の内容に関連する何か一つ『新しい知識』を情報としてさりげなく挿入してあげましょう。

例えばpatoさんは、子供時代の駄菓子屋さんでの思い出について文章を書く際に、駄菓子屋は元々は見張り場所として使われていたという豆知識を入れています。

それだけでも読んだ方すれば一つ得をしたと感じ、最後まで記事を読むことや今後のリピーターにつながります。

ただし挿入する新たな知識は、必ず記事と関連のあるものにしましょう。

駄菓子屋の話をしてる最中に、いきなり「特殊相対性理論ではどの場所から光を観測しても、その速度は一定です」みたいな物理学の話をされても、だからどうした?と反感を買っておしまいですからね。

心理学と雑学は文章を読ませる強い武器になる

心理学のイメージ

新しい知識をさりげなく文章を挿入すればいいのはわかったけど、そんな知識がない人はどうすればいいの?

この点については、書籍で解説がなかったので、私個人の意見をお伝えします。

私が記事に追加する得する新情報としておすすめしたいのが、次の2つのジャンルです。

  • 心理学
  • 雑学

どちらも知的好奇心を掻き立てられるものであり、新たな知識・情報が手に入ると得した気持ちになります。

なお心理学も雑学もどちらも難しい専門書は必要ありません。初心者向け・こども向けの書籍があるので、それらを手元に置いておけば良いでしょう。私のおすすめは次の2冊です。

『知識ゼロでも楽しく読める!心理学』、『子どもにウケるたのしい雑学』

おすすめの心理学と雑学の書籍
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記事に入れ込む新しい知識について、参考になる書籍をお探しの方はチェックしてみてください。

【まとめ】センスが無いという言い訳に逃げちゃダメ

文章を書くことから逃げてはいけない

今回は『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟』の感想と、本書の中から読ませる記事を書く上で特に重要だと感じたポイントを1点に絞ってお伝えしました。

本書の中で著者patoさんが強く訴えているのが、「文章が書けない・届かない・伝わらないをセンスや才能のせいにするな」ということです。

patoさん自身が、それら3つの絶望と向き合って試行錯誤を繰り返した末に、22年間という歳月をかけて周りから賞賛レベルに到達した方なのでその気持ちが強いのだと思います。

「自分が有名ライターさんのような記事が書けないのはセンスが無いせい」と現実から目を背けて逃げるのは、心理学でいうところの『防衛機制』の一つである【逃避】です。

【逃避】を続けて自分の弱みや書けない絶望と向き合わなければ、いつまで経っても文章力は向上しません。

エヴァンゲリオンの碇シンジのように「逃げちゃダメだ」の精神で絶望を受け止め、それと付き合っていく執念とひた向きさがあなたの文章を上達させるためには大切だということを本書は教えてくれます。

「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…」(自分に言い聞かせてます)

記事を書くことから逃げちゃダメ

最後に本書に登場したある人物の言葉が、あまりにも心に響いたものでそれを紹介させてください。

誰かに比べて幸せって本当に幸せな人はそう考えないと思う。

逆に不幸は、誰かと比べているとそこから抜けだそうという気持ちが無くなる。

だからそれらは人と比べるべきじゃない。

参照:文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。読みたくなる文章の書き方29の掟

幸せと同じように自分が書いた文章も、他の人と比べるものじゃないのかもしれませんね。

他人ではなく、書けない自分や絶望と向き合い続けることが、伝わる文章を書く上でも大切です。

よんせみ

patoさん、素晴らしい書籍をありがとうございました!

この本は何度も読み返させてもらいます。

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この記事を書いた人

40代で仕事をセミリタイアし、ハードワークを卒業しました。現在はフリーランスのお仕事と株式運用での収益が主な収入源。現在の目標は高配当株の配当金だけで生活すること。FP2級。資産運用検定2級。持ち家派。奥さんと子供と三人暮らし。

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